目がチカチカしてギザギザした光が見えて、その後に強い頭痛が起こる……。
突然そんな症状が出たら、誰でも驚いてしまうでしょう。視野にギザギザの光が見える…その症状は「閃輝暗点(せんきあんてん)」なのかもしれません。
「片頭痛になった人の1~2割に出る」といわれており、大きな病気が隠れている可能性もあるため、閃輝暗点(せんきあんてん)が出たら注意しましょう。
本記事では閃輝暗点について、概要・原因・治療法・予防方法などを紹介します。
閃輝暗点(せんきあんてん)とは
光は次第に大きく広がっていき、周囲も歪んで見えづらくなりますが、5~20分程度で消えます。長くても1時間程度で、視野にある光は落ち着くでしょう。
光は歯車・稲妻・三日月のような形をしているのが一般的です。ただし見え方・色・頻度などには個人差があります。大抵は両目に出る症状です。しかし片方の目だけに症状が出るという人もいます。10~30代に多い症状ですが、45~55歳の更年期を迎えた女性にも多い傾向です。
閃輝暗点(せんきあんてん)と片頭痛の関係性
閃輝暗点が落ち着くと、大抵の人には片頭痛が起こります。ただし片頭痛といっても、頭重感程度の人から吐き気をともなう頭痛まで、症状の程度はさまざまです。
片頭痛がない閃輝暗点は、脳梗塞・脳腫瘍・一過性虚血発作などのサインかもしれません。
- 閃輝暗点はあるが片頭痛がない
- 閃輝暗点が生じる時間が短い
- 高い頻度で発生を繰り返す
上記のような状況であれば、念のため精密検査を受ける必要があります。眼科でも相談できますが、MRIやCTなどを受けておくと安心です。頭痛外来・神経内科・脳神経外科などで診察を受けてみましょう。
閃輝暗点(せんきあんてん)の原因
閃輝暗点が発生する正確なメカニズムは解明されていません。ただし脳にある血管の収縮や拡張が、閃輝暗点のおもな原因であると考えられています。閃輝暗点は大脳皮質が関係している神経症状です。
以下は閃輝暗点の誘発因子として知られています。
過度なストレス
喫煙
睡眠不足
コーヒー
アルコール
チョコレート
ナッツ
チーズ
生活習慣・食生活なども大きく関係しているのが閃輝暗点です。
閃輝暗点(せんきあんてん)の治療法と予防方法
閃輝暗点の症状が出た場合の、治療法と予防方法について紹介します。
片頭痛や吐き気がないため、病院に行かず様子を見ている人も多いかもしれません。しかし大きな病気のサインとして症状が出ている可能性もあるので、病院で精密検査を受けておくと安心です。
治療法・予防方法について紹介しますので、それぞれチェックしてみましょう。
閃輝暗点の治療方法
閃輝暗点の症状が出たら、まずは安静にして様子を見ます。運転中に閃輝暗点が出てしまうと見えづらくなりますので、事故に気をつけましょう。なるべく早く車を停めて、症状が落ち着くまでの安全を確保してください。
頭痛がない閃輝暗点では、特に明確な治療方法がありません。閃輝暗点のあとに片頭痛が出るのなら、病院で処方してもらった鎮痛剤や制吐剤などを服用しましょう。運転や仕事に支障がある人に対しては、医師がカルシウム拮抗薬を処方することがあります。
精密検査で頭蓋内にある病変が判明した場合には、適切な治療が必要です。サプリメントを使った食事栄養療法もありますので、医師に相談してみましょう。
閃輝暗点の予防方法
たとえ頭痛がないとしても、閃輝暗点で視界を遮られてしまうのは不快なものです。そこで症状が出たのなら、ぜひ予防も考えてみましょう。
閃輝暗点の予防には、誘発因子を避けるのが大切です。
- なるべくストレスを解消する
- 節煙や禁煙をする
- 十分な睡眠をとる
- マグネシウム・ビタミンB2を摂取する
強いストレスがあるのなら、なるべく解消するよう心がけましょう。喫煙も閃輝暗点を引き起こすおそれがありますので、節煙・禁煙を行ってください。十分な睡眠をとって、脳を休めるのも大切です。
マグネシウム・ビタミンB2の摂取は、閃輝暗点の予防につながります。そこで次の食品を積極的に摂取するのがおすすめです。
- マグネシウム……海藻類・魚介類・豆類・穀類
- ビタミンB2……肉類・魚介類・卵
普段の食事で、積極的に摂取するよう意識してみてください。また誘発因子となる飲食物の飲み過ぎ・食べ過ぎにも気をつけましょう。
まとめ
閃輝暗点は大きな病気のサインとして症状が出ている可能性もあります。「放置しておいても大丈夫だろう」と自己診断するのはおすすめできません。
症状が出たらなるべく早くMRIやCTを行っている病院を受診して、精密検査を受けてみてください。精密検査で病気が見つかったら、医師による適切な治療を受けましょう。
参考
目の前にキラキラとしたものが飛ぶ?「光視症」の症状や原因とは | メノコト365 byわかさ生活
閃輝暗点(ぎざぎざが見える):よくある眼科疾患の解説 | つつみ眼科クリニック(練馬区)