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目の症状や病気と予防・治療法

SNSの普及でスマホ老眼に?予防・改善のポイントを解説

若者がスマホを操作する画像

「夕方ごろになると目がかすんでくる…」
「スマホから目を離すとピントが合わなくなる…」

SNSの普及によって、スマホの使用時間が増え、20代では1日に3時間以上スマホを見ているというデータもあります。スマホを長時間使用している方は、上記のような悩みを抱えているのではないでしょうか?その症状、スマホ老眼かもしれません。

本記事では、若い世代で発生しやすいスマホ老眼の対策方法について解説します。正しい対策をすれば、スマホ老眼は改善できます。ぜひ最後までご覧ください。

スマホ老眼ってなに

スマホ老眼と聞くと「老眼」の一種の症状と思われるかもしれません。厳密には、スマホ老眼は「老眼」ではありません。モノを近いところで見続けていると、それに目が順応して一時的に近視状態になることをスマホ老眼と呼びます。

水晶体の硬化が原因の老眼とは関係ありません。そのため、老眼鏡の準備は必要ないのでご安心ください。

では、スマホ老眼とは具体的に何が原因になるのでしょうか。次で説明します。

スマホ老眼になるメカニズム

女性の目の拡大画像

スマホ老眼になる原因は、目のピント調節機能を担う「毛様体筋」が凝り固まること。毛様体筋は遠くを見るときに、筋肉を緩め、近くを見るときは縮むことでピントの調節を行います。スマホを見ているときは、常に近くを注視していますよね。

つまり、目との距離が近いスマホを見続けることで、毛様体筋は長時間縮みっぱなしで、凝り固まった状態になってしまうのです。これが原因で、ふと遠くを見ようとしてもピントが上手く合わなかったり、夕方になると目がかすんだりします。

長時間スマホを見続ける、20〜30代に多い症状です。

スマホ老眼にならないためには

スマホ老眼にならないためにはどうすればいいか気になる方もいるでしょう。ここでは、気軽にできる対策を紹介します。スマホ老眼の疑いがある方にも実践すれば、症状が緩和するかもしれません。

以下4つの対策はスマホだけでなくPC作業が多い方の疲れ目対策としても有効ですので、ぜひ参考にしてください。

  • 1時間ごとに休憩をとる
  • 目の周りを温める
  • スマホから目を離す
  • 睡眠を十分にとる

それぞれ解説します。

1時間ごとに休憩をとる

スマホ老眼の対策として、定期的に目を休めることが、もっとも大切です。1時間に10〜15分ほど休憩するのがベストですが、仕事でそんなこまめに休憩をとれないという方もいるでしょう。そんな方は、定期的に遠くのものを見つめてから近くのものを見るといった、目のピント調整機能を使ってあげることで、スマホ老眼対策になります。

仕事に夢中になっていると、休憩を取るタイミングを忘れてしまいますよね。休憩のタイミングを逃しがちな方は、スマホのタイマー機能で1時間たったらアラームが鳴るように設定し、定期的に休憩をとるようにしましょう。

 

目の周りを温める

スマホ老眼の原因である凝り固まった毛様体筋をほぐすには、目の周囲を温めるのが最適です。目を温めることで、血行がよくなり、毛様体筋の緊張がほぐれます。市販で目を温めるアイマスクを購入できますが、毎日使うとなると、費用がかさんでしまいますよね。

そんなときはレンジでタオルを蒸したもの(ホットタオル)を目にあてるのでも十分効果的です。温める温度の目安は、500Wで30〜60秒です。

オフィスワークだとなかなか目を温める機会がない方は、手のひらを目の上にあてるのでも、目の筋肉の緊張をほぐせますので、実践してみてください。

 

スマホから目を離す

スマホを見る時間をどうしても減らせない方は、目とスマホとの距離を離すことでスマホ老眼を予防しましょう。スマホと目の距離は、30cm以上離してください。

なるべくスマホを目から離して使用することで、毛様体筋の緊張がやわらぎ、スマホ老眼になりづらくなります。

30cm以上離す際に、どうしてもスマホ画面が見づらい方は、メガネかコンタクトで視力を矯正しましょう。

 

睡眠を十分にとる

一時的な目への負担から発生するスマホ老眼は、十分な睡眠をとることで解消されることが多いです。できれば、7時間以上の睡眠時間を確保しましょう。

しかし、ベッドの中で夜遅くまでスマホを見続けてしまい、睡眠不足になる方も多いのではないでしょうか。スマホ画面から発せられるブルーライトは、覚醒作用があり、寝入りが悪くなるため睡眠の質も悪くなります。

寝る前のスマホ使用は、睡眠時間も少なくなり、寝入りも悪くなるため、できるだけ避けるようにしてください。日中に酷使した目を長時間休めることで、スマホ老眼の予防につながります。
※就寝1時間〜2時間前にはスマホを見ることを止めることが推奨されています

 

まとめ

本記事では、若い世代に多いスマホ老眼の対策方法について紹介しました。スマホ老眼は、目のピント調節機能である毛様体筋が凝り固まることで発生します。

SNSの普及によって、1日あたりのスマホ使用時間は年々増加しています。スマホ老眼に悩まれる方は、今後も増えていくでしょう。若いうちから目のケアを意識することは大切です。

スマホを使用する時間が多いと感じている方は、ぜひ本記事を参考にしてスマホ老眼対策をしてください。

【参考】

スマホの利用時間、1日当たり「136.3分」で前年から10分近く増加。SNSの利用時間伸長が目立つ【グロッサム調べ】

#419 スマホの利用時間は、年齢によってどう違う?~「メディア利用の生活時間調査 2021」の結果から~

「スマホ老眼」をご存知ですか?

20~30代でも要注意!「スマホ老眼」はどうすれば改善する?

スマホ老眼 -目のプロからのアドバイス-

この記事を書いた人

矢込郁

Webライター。筆者自身も網膜色素変性症で、視野が狭く暗い場所が見えづらいなかで生活を送っている。専門分野であるWeb・ITの知識と目に関する自身の経験を織り交ぜながら、視覚に問題のある方に寄り添った記事を執筆。

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