紫外線が強く降り注ぐ季節が到来しました。
帽子をかぶったり、日焼け止めを塗ったり。
肌の紫外線対策を始める方は多いのではないでしょうか。
しかし、紫外線の影響を受けるのは皮膚だけではありません。
実は、私たちの大切な「目」も肌と同様、紫外線のダメージを受けているのです。
目が紫外線を浴び続けると、どんなトラブルが起きるのでしょうか。
この時期からできる紫外線対策と合わせてご紹介します。
紫外線が多いのは夏だけじゃない!
年間で紫外線量が最も多いのは「夏」ですよね。
具体的に何月に紫外線が多いのかご存じですか?
気象庁のデータを参考に、2021年1年間の紫外線(UV)量の推移を見てみると、東京で最も紫外線量が多かったのは7月です。
しかし、このデータを見ると5月から8月まで、ほぼ同じ量の紫外線が計測されていることがわかります。
また、曇った日であっても油断できません。
薄い雲の場合、紫外線の80%以上が通過してしまうからです。
天候・時期にかかわらず、早めの紫外線対策を心がけましょう。
目も日焼けするって本当!?
紫外線の影響で一般的によく知られているのが、肌への影響です。
しかし、そのダメージは肌だけにとどまりません。
紫外線は私たちの「目」にも影響を及ぼしています。
目の角膜や水晶体には、ある程度の紫外線をブロックする働きがあります。
しかし、目は外部の刺激をダイレクトに受けてしまうパーツ。
強い紫外線を長時間浴び続けると、一時的な症状が出たり角膜を傷めてしまうこともあるのです。
紫外線が関係する目のトラブルや病気は意外にもたくさんあります。
その中の一部をご紹介します。
白内障(はくないしょう)
目の水晶体がにごり、網膜まで光が届かなくなることで様々な症状を引き起こす白内障。白内障には、80以上のタイプの白内障がありますが、そのうちの「皮質白内障」は紫外線と関わりがあることで知られています。
視力の低下や、かすみなどの症状があり、失明の危険性もあるため白内障が進行した場合は手術が必要になります。
加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)
モノを見るときに重要な働きをする網膜の中心部にある黄斑が、老化とともにダメージを受けて異常をきたし、視力や視野の低下を引き起こす病気です。
紫外線が網膜に与えるダメージが蓄積することが、加齢黄斑変性の原因になることも。
翼状片(よくじょうへん)
白目部分(結膜)が黒目部分(角膜)に三角形状に入りこんでくる疾患です。
角膜が引っ張られることで乱視になったり、視力の低下などの症状が起こったりします。
屋外で作業している人に見られることが多いため、紫外線の影響が関連していると考えられています。
症状が進行すると、視力障害を起こします。
紫外線角膜炎(しがいせんかくまくえん)
目が強い紫外線にさらされたときに起こる炎症です。
白目の部分(結膜)の充血、異物感や目の痛みを伴う症状が起こります。
晴れた日、雪に反射した紫外線から目のトラブルとなるいわゆる雪目(雪眼炎)が有名です。
昼間に紫外線を浴びた場合、その日の夜や翌朝にかけて発症しますが、多くの場合は24〜 48時間で治まります。
目のケアに欠かせない!ルテインって何?
上記で取り上げた目のトラブルを予防するために、「ルテイン」の摂取は効果的です。
ルテインとは、緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドの一種のことです。
人間の体には目や皮膚、乳房組織、子宮頸部、脳などの組織にルテインが存在していますが、特に目には多くのルテインが存在しています。
しかし、目のどの部分にルテインが存在しているのでしょうか。
私たちが普段見ているのは目の表面に過ぎません。
カメラのような構造をしている目は、水晶体がレンズ、網膜がフィルムのような役割を果たしています。
この水晶体や網膜に、ルテインが多く含まれているのです。
ではルテインが目のケアに欠かせないのはなぜでしょうか。
ルテインが活性酸素を除去する働きを持つことがその理由の1つです。
私たちの身の回りには、紫外線やブルーライトなど有害な光がたくさん。
ルテインは、それらの有害な光から目を保護してくれます。
このように、ルテインは身体の内側から目を守る働きをしてくれる頼もしい存在なのです。
ただし、ルテインは加齢と共に減少してしまいます。
また、体内で自ら作り出すこともできません。
そのため、食べ物から摂取することが必要です。
青汁でおなじみのケールやほうれん草、ブロッコリーといった緑黄色野菜に多く含まれているルテイン。
1日あたり6mg以上摂ることがおすすめです。
有害な光から大切な目を守ってくれるルテイン。
目の健康のために紫外線量が多くなるこの季節に、積極的にルテインを摂って目をケアすることをおすすめします。
早めの紫外線対策で目を守ろう!
帽子や日傘、日焼け止めなどを使うことはもちろん、紫外線の強い時間をなるべく避けるような心がけも大切です。
太陽から直接当たる紫外線だけでなく、反射する光(反射光)や空気中に散る光(散乱光)にも注意しましょう。
特にむき出しになっている目を外側から守るため、紫外線をカットする機能を持つめがねやサングラスなどを用いることも大切です。
身体の中からの紫外線対策も忘れずに、ルテインが含まれる食べ物を摂取するなど食生活の見直しからスタートするといいでしょう。
夏だけでなく今から目の紫外線対策を始めてみませんか。
そうすれば、長期にわたって大切な目を守っていくことができるでしょう。
※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。
個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
参考文献
https://www.data.jma.go.jp/gmd/env/uvhp/link_uvindex_month54.html
https://www.hospital.japanpost.jp/health/health201306.html
https://www.dr-supplement.jp/column/lutein/
https://www.wakasa.jp/sozai/lutein/alimentation/