日本で一度は訪れたい温泉地として大人気の箱根温泉。
宿泊施設数日本一を誇り、四季折々の景色や観光施設が整っているため、毎年約2,000万人もの観光客が訪れます。
箱根町に、金太郎が目の病を癒した伝説が残される「姥子温泉 (うばこおんせん)秀明館」があります。
姥子温泉について
江戸時代・天保年間の温泉番付では東の前頭22枚目にその名が挙がっている姥子温泉。
標高885mに位置し、「姥子の森」の中に佇む姥子温泉は、今から3,000年前に起きた神山(かみやま:箱根町で古くから神の山として崇められてきた山)の水蒸気爆発によって山が崩壊し、その崩壊した岩盤から温泉が湧き出たことが始まりといわれています。
現在も、岩盤からコンコンと温泉が湧き出る姥子温泉。
岩盤に注連縄(しめなわ)がかけられた神秘的な雰囲気が漂う浴室内。
温泉の湧出量は降雨量によって左右され、雨量の多い時には毎分3,000リットルものお湯が湧き出し、敷地内にある「湯乃池」が溢れ出すこともあるのだそうです。
もともとこの地は、箱根三所大権現(はこねさんしょだいごんげん)の神領として崇められ、修験道の霊場として信仰を集めていました。
そのため、敷地内には山岳信仰の面影が残る箱根神社、石仏群、薬師堂、地蔵堂が今でも大切に残されています。
姥子温泉に伝わる金太郎眼病快癒のお話
日本昔話に登場する金太郎。金太郎は実在する人物で、正しくは坂田金時(956~1012年)といいます。
金太郎は母親思いの優しい子で、幼少期は熊・鹿・猿などの野生動物と一緒に山の中で遊んでいたと伝えられています。
ある時、金太郎は山中の枯れ枝で目をついてしまいました。
姥は金太郎の目を治そうと懸命に治療しますが、金太郎の目は悪くなる一方でした。
藁にもすがる思いでいた姥は、箱根権現に21日間の願掛けを行います。
すると、21日目の夢の中で「山の向こうに目に効く温泉がある。その湯で目を洗うがよい」とのお告げがあり、金太郎を連れて温泉の湧き出る場所へ行きました。数日間の湯治により、金太郎の目は回復したのだとか。
金太郎の目が回復したことにより、その温泉は「姥子の湯」として、眼病湯治の湯として知られるようになりました。
姥子温泉の特徴
金太郎の眼病が快癒したことで眼病に良い温泉と知られる姥子温泉は、村の湯治場として村人たちに大切に守られてきました。
「姥子の湯で目を洗うと眼病が治る」と古くから伝えられてきましたが、科学的な実証ができるようになった現代、温泉に含まれる成分を調べたところ、ミョウバンと呼ばれる無色透明で殺菌効果のある成分が含まれていることが判明したのだとか。
それにより、現代も姥子温泉で目を洗う湯治客がたくさんいます。
眼病の他に肌の若返りや婦人病、胃腸、腰痛・肩こりにも良いといわれています。
姥子温泉は、新潟県の貝掛(かいかけ)温泉・福島県の微温湯(ぬるゆ)温泉と共に日本三大目の温泉と称されています。
コロナ禍で自粛されていた旅行をこの春からはとお考えの方も多いと思います。
神秘的な雰囲気が漂う姥子温泉で、のんびりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
>アクセス
「小田原」駅より伊豆箱根バス乗車(約60分)、「姥子」下車すぐ
ロープウェイ「姥子」駅下車 徒歩約8分
>住所
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根110‐1
>お問い合せ
0460-84-0026
>備考
営業時間:
【湯床】10時~15時受付終了
【入湯のみ】15時~16時受付終了
【閉館】通年17時10:00~17:00
休業日:毎週木曜日、冬季休業(毎年2月いっぱい)
※ご利用方法など、詳しくはHPをご確認ください。
【姥子温泉 秀明館HP】 https://shumeikan.biz/